姿見ずの橋、姿見の橋

 成子坂を下った神田川にかかる橋「淀橋」にも怖いお話が伝えられています。

 橋のたもとには延宝2年(1674年)といいますから江戸時代もはやい頃に作られた水車、神田川最初の水車といわれる「淀橋水車」がありました。残念ながらこの水車は今はもちろんありません。江戸時代末期、徳川幕府の命令で、この水車小屋で火薬の製造が行なわれておりました。ところが嘉永7年(1854年)に大爆発をおこして壊れてしまったのです。

 さて、怖い話とは、この淀橋は古くは「姿見ずの橋」とよばれていました。室町時代のはじめ頃、中野一帯を開拓いたしました鈴木九郎という人が、このあたりに自分の財産を隠す場所を持っていました。財産を隠すためにその荷を下男に持たせてここまで来るのですが、隠し終わった後隠し場所が知られるのを恐れて帰路、連れていた下男を殺し神田川に投げ込みました。その数は10数人にも及び、同行した下男たちが決まってこの橋で姿を消したため「姿見ずの橋」と呼ばれるようになりました。また、下男たちの死体は約2km下流の小滝橋で見つかりましたので、小滝橋のことを「姿見の橋」とよびました。

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